魂のひびき(植芝盛平翁語録)

 合気は宇宙組織の魂のひびきを神習うての発動である。
 宇宙組織を宇宙の魂のひびきによってことごとく自己の心身に吸収して結ぶのである。
 すなわち和と統一に結ぶのである。
 これが合気である。
 合気は、いうなれば真人養成の道であるともいえる。
 宇宙組織の魂のひびきの修行によって、自ずと自己の心の立て直しが行われて、真の自己を造りあげる。
 つまり合気道は禊の技であるということである。
 禊の技で常に万有愛護の大精神を鍛え、万有万神の条理を守り、正勝、吾勝、勝速日の精神に立った姿でなければならない。
 合気道を修行する者は、万有万神の条理を武道に還元さすことが大切なこととなってくる。
 万有万神の条理から来る真象を眺め、真象を通して合気道の技は、合気の原理を通して創造することが可能な故、どんな微妙なる宇宙の変化にも、よく注意しなければいけない。
 真実のことを達するには、宇宙の真理に合気することが大切である。
 いつもいう「美わしき この天地の御姿は 主の造りし 一家なりけり」と。
 宇宙組織の魂のひびきを神習うての、無限の力は、このように世界を和と統一に結んでいく力をもっているのである。